日記⑭

青が目に本当に鮮やかな日

もうかなり暑くなってきたし、ムシムシしてきましたね。夏のにおいがするけど、たまに爽やかな風が吹いてとても気持ちいい。相変わらず家で仕事です。

 

青といえば今日Tokyoのお空にブルー・インパルスが飛んだみたいで。

Tokyo2020(仮)の聖火点火式でいまいち活躍できなかったので、名誉挽回でさそがし関係者は嬉しかったことでしょうね。ツイッターで写真がいっぱい挙がっていたのでわたしも手のひらのお空で見させて頂きました。皆さん大喜びみたいで。

感謝の青色流行ってるなあ。

「医療従事者への感謝の気持ちを込めて」ということでしょうが、これは建前じゃないかと性格が悪いから思っちゃいます。むしろ「ゴールデンウィーク、頑張ってStay Homeした俺たちに感謝の気持ちを込めて」だったら清々しくてよかったのに。だって感謝を捧げる医療従事者のほとんどはこれを見ていないでしょう。まあ見ている人もいなくはないでしょうけど、圧倒的に非医療従事者が多いと思う。多分医療従事者の方が喜んでいる姿もそうじゃない人によって消費されるんでしょう。もっと人類は汗と血を流して頑張っている他者を安全な場所から娯楽として消費することが物凄く楽しい(特に都市部の人間)ことを自覚しなきゃいけない。ローマの競技場から変わってない。ローマ時代だったらもっと娯楽に対して貪欲だったから本音で楽しんでいる感じもするけど、今それじゃああまりに生々しいから建前が必要。だから「医療従事者への感謝の気持ちを込めて」 写真投稿が募金になっているならいざ知らず、多くは人々のインスタの欄にコレクションされていくだけでしょう。戦争中の広報の在り方を今の政権はよくお勉強しているんでしょう。

 

上司に今日の15:00にいきなり至急案件の翻訳頼まれたからすこぶる機嫌が悪いんです。

 

 

 

 

日記⑬

昨日大量の玉ねぎと干しシイタケとニンニクを刻んだせいか、両手から奇妙なにおいがする。物凄く念入りに洗ったのだけどにおいが全く取れず狼狽する。今日は会議だから本当に困る(こいつ、玉ねぎと干しシイタケくさくね?と思われたくはない)ので朝からずっと洗っていたけど全く取れない。思い切ってジョー・マローンのコロンを振りかけたのが完全にミスだった。ブラックベリー月桂樹の葉の香りに玉ねぎと干しシイタケとニンニクが絶妙にコンバイニングされてしまう。会議開始5分前もずっと手を洗い続けるが一行に取れない。

なんだ、今日zoom会議だったじゃないか。におい分からんやん

とzoomを立ち上げてやっと気づいた。最近五感がバグってきている気がする。会議中も玉ねぎとニンニクと干しシイタケの残像がちらついてしまいあまり集中できなかった。家と仕事が近づいてくると全部ちぐはぐな感じがしてきて面白い。上半身仕事着で下半身ステテコとかだから色んな感覚がぶるぶるずれてきている。ジョー・マローンのコロン買いに行きたい。早く五感を取り戻したい。

 

日記⑫

今日はいいことがたくさんあった。

 

友達と久々に電話し、たわいもなく(ちょっぴり真面目でビターなテーマもあり)おしゃべりを楽しむ。最近おしゃべりを楽しむ、みたいなことを全くしていなかったのでとても有難く、嬉しかった。

それに、芸術関係者への支援策がついに日本でも決まったというニュースが流れてきて驚きすぎてデマかと思ったけどどうやら本当みたいで泣きそうになった。一般のお客さんから電話があった時に、「ちょっと言いたいことがあって…」と来て税金の無駄遣い!と言われると思いこみ受話器を握りしめていた時に「とても大変だと思うけど応援しています」と言われてちゃんと仕事しようと決意したんだった。勿論お金をたっぷりかけた○○美術館展や有名オーケストラや指揮者を招聘することはここ2年近くは無理なので、ローカルな芸術や文化を大切にしようみたいな流れになって来るのかしら…

あと個人的に興奮したのが、深夜にキョッキョッキョッと泣きまくる謎の鳥の正体が気になりすぎて眠れなくなり、下記サイトで鳴き声を聞きまくり検証した結果、ホトトギスだと分かったのもマジでマジでうれしかった。

www.suntory.co.jp

www.suntory.co.jp

無限に今お金を手にしたら絶対に軽井沢に移住して山小屋でシベリアネコと一緒に煮だした紅茶と読書とバードウォッチングする。

日記⑪

「新しい生活様式(New Lifestyle)」いかがお過ごしでしょうか。

今日もクレオパトラみたいなアイメイクにカメムシみたいな緑色のワンピースに赤色のバッグという出で立ちで出勤。図らずしてクリスマスを先取りしてしまう。化粧の仕方を忘れてしまい、適当にアイシャドウをぐりぐりしていたら異常にアイメイクが濃くなってしまった…

黙々と仕事をする。ふと雑談で話しかけられる。適当な言葉が出てこない。クレオパトラみたいな目つきなのに異様に挙動不審になってしまう。雑談の仕方を完全に忘れている。

作業中の仕事の内容に自分がしたくだらないミスを見つける。「しにて~~」と頭の中でつぶやいたつもりなのに声が出ていた。アントニウスクレオパトラに裏切られたと思った時に「しにて~~」と言っただろうな。たぶん。

街に人が戻ってきたし、10万円の紙もやってきた。それに今日だけで551の豚まんの袋を抱えたおじさんを5人は目撃した。551は関西の幸福指数に直結するので、宣言が解除されたからかちょっとしたハレの日気分を感じる。来月からも7割出勤だそうなのでいつも通りとは行かないだろうし確実に第2波はくるのでしょうけど、今はただおいしいハモのお料理を食べに行き京都のチェコデザイン展に行ってグレタ・ガーウィグの「若草物語」が見たい。

 

日記⑩

出勤。気持ちのいい天気だった。でも通勤途中に軽く日光を浴びただけで身体がだるい。季節の変化に身体も心も着いていっていない。出勤して早々、せっかく仕上げた怪文書の翻訳について、怪文書自体が新たに更新されていることが判明。やり直し。うめき声を上げる。

一人一人が手を携えて~この未曾有の危機を~うんたらかんたら

 そんなことが書いてあった。「ひとり」と「手」、この単語がなぜか薄気味悪く感じる。じっと見つめていると、ある歌を思い出す。それでは聞いてください。

「一人の小さな手」

一人の小さな手 何もできないけど
それでも みんなの手と手をあわせれば
何かできる 何かできる

一人の小さな目 何も見えないけど
それでも みんなの瞳でみつめれば
何か見える 何か見える

一人の小さな声 何も言えないけど
それでも みんなの声が集まれば
何か言える 何か言える

一人で歩く道 遠くてつらいけど
それでも みんなのあしぶみ響かせば
楽しくなる 長い道も

一人の人間は とても弱いけれど
それでも みんながみんなが集まれば
強くなれる 強くなれる

それでも みんながみんなが集まれば
強くなれる 強くなれる

http://j-lyric.net/artist/a012720/l027d03.html

改めて不思議な?そして不気味な歌詞だと思う…(作曲者の方ごめんなさい個人の意見です) 

わたしが通っていた小中高はカトリック系の女子校だった。調べたら信者の方が歌ってらっしゃるみたい。(ヒットもしたらしい)だからだと思うがこの歌は小学校からずーっと歌わされ続けていて、一番嫌いな聖歌だった。けれど狂気のレベルで歌わされていたので、今でも歌詞もメロディも覚えている。この曲を心をこめて歌ってらっしゃる方もいると思うのでとても心苦しいが、わたしはこの歌の中に日本人の性質の闇みたいなものが全部詰まってると思う。特に最後のみんながみんなが集まれば~って言うところが異常に早口になるところで狂気がピークに達する。英語の歌詞が元にあって(One Man's Hands)、それはそれでヤバいのだが、まだ民主主義の香りが若干するのに対し、一人=何もできない って最初から日本語の歌詞は高らかに宣言するので恐怖しかない。特にひとりの小さな声~のところなんかは何か言うためには大勢の声を必要とするよね?みたいな同調圧力の塊みたいな考えだ。SNSで人を影から叩くのに通じる陰湿さ。全部完全に個人の歌詞解釈だけど、本当に怖い。でもよく考えたら「一人一人が~」って言葉のあとには「力を合わせ~」みたいな全体主義っぽい文脈が来ることが多い気がする特に最近。12年間女子校育ちなのは人生の壮大なネタだ(とても感謝もしている)。社会人になって仕事上小学校向けのプログラムを組むことがある時にも気づいたのだけどわたしの出身学校は結構本当に独特かつ奇妙な教育をしていたのではないか?と最近考えることが多い。特に小学校はカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」のヘールシャムみたいな雰囲気があるように思う。そもそもあの学校に入ったのは家父長制の代弁者でもある祖父のアイデアだった。幼少期から非凡な才能を見せる親戚の子たちと違って言葉も話すのも異常に遅く、病弱だったわたしは「この子はどうせ何やっても駄目だからそこそこ聞こえのいい完全一貫校で将来ピアノの先生でもさせよう」ということであの学校にぶち込まれたのだけど、(確かに何やっても駄目だったけど!いくら大正生まれだからといって偏見に満ちた発言だと思うが)12年間(幼稚園を入れて15年間)は人格形成の基本のきを形作っているのは間違いないからいつかまたゆっくり考えたい。

6月からになったら日記つけるのやめようと思うけど在宅勤務が伸びそうなのでわからん。

 

 

 

日記⑨

意を決して、美容院に行く。およそ8か月ぶり(驚愕)のことだ。

頻度からも分かるようにわたしは美容院が非常に非常に苦手だ。だから自分の髪型を決める時の最優先事項は手入れが楽かどうかで決める。それに前回行った10月から3月までは仕事が色々異常だったため、休日をほとんど取得できず、たとえ手に入れることができても一日中寝ているか、だらだらamazonプライムを見るか、軽く読書をすることくらいしか出来なかった。世の中がこんな風になって暇ができたのは良いが、今度は美容院に行ってもいいのかと思っておろおろしているうちに緊急事態宣言が出てしまい不要不急の外出を控えることになってしまった。そうして8か月が過ぎた。

唐突な女かつ異常にめんどくさがりなので、一気に15センチ切ろうと思いたつ。(前も10センチ切った…)職場の人には定期的にイメチェンを図る女として認識されているが、実際は美容院に行く頻度をひたすら下げたいからだ。それにこの自粛期間中にバビロン・ベルリンというドイツのドラマを見て、そこに出てくる1930年代の女性のショートカットがめちゃくちゃ素敵だったので…という理由もある。

 

装うことと女性であることはわたしの中で密接に関係している。小さいころおばあちゃんの鏡台の前にそれまで見たことのなかったたくさんの化粧品のボトルが置いてあるのを見て、女の子と女の違いを感じたように。わたしは変な主張の激しい服が大好き。幸いにも職場は服装は自由(仕事的に公の時では黒色の服という暗黙の了解はある)なので、アホみたいな服を着ていく。「明治の女学生みたいな服だね!」「香港映画に出てくるチャイナ服みたいだね今日は!」と職場のおじさまに言われ続けていたが、全くめげずにまたアホみたいに赤い(ローマ教皇か?)服を着ていく。けれどもうその人はいない。2月に亡くなったから。アホみたいな服を着続けるのはわたしが雑誌を全く読まないことも関係しているのだろう。たぶん。

 

装うことへの関心が1年じゅう続かないのも問題な気がする。大学生の時は違った気もするんだけれど、1年のうち数か月、鏡すら見たくないし全身黒しか着たくない時期が存在する。そういう時に仕事の都合でしぶしぶ買う服はオールブラックである。その期間が終わるとまたアホみたいな服を着だすので職場の人に家族に不幸でもあったのかと思ってた…とこっそり言われた。でも黒い魔女みたいな服も大好き。

 

そして今日、わたしはまた唐突に装いを変えた。ワードローブには黒い魔女みたいな服かアホみたいな服の2択しかない。困った性格だけれど、どの装いもまあまあ気に入っている。

 

ZARAのこのコレクションぜんぶほしい。

www.zara.com

 

 

日記⑧

今日はなんだか疲れた。

上司の怪文書の翻訳に早朝から取り組み、さっき完成させる。それに加えシーツ交換と部屋の掃除、地味に汚れていたけどずっとなかったことにしていた箇所の総攻撃といった個人的に難易度の高い家事もこなす。

布団をベランダでパタパタしようとしていたら、ベランダに謎の赤いダニみたいなあいつらが3密で大量発生していることに気付き、戦慄。昨年、奴らはわたしの気に入っていた主張の激しいZARAのブラウスに攻撃をしかけ、赤い汚点を残した。(2019年赤い汚点事件)きゃつめ、先日までは存在を隠していたではないか。もしや我が領地における緊急事態宣言が解除されたことに気付いているとでも言うのか?キンチョール大佐とわたしは孤高奮闘。累々と横たわる死体の処理に嫌悪感を隠すことなど最早できぬ。しかし赤軍アスファルトの割れ目からわたしを嘲笑うかの如く奇襲攻撃を仕掛けてくる。押し寄せる援軍に一時撤退を決め、本拠地(部屋)へ布団を抱きかかえ帰還す。

 

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精神に不調をきたしてきたので、大好きな監督の大好きなダンスシーン(プライドと偏見アンナ・カレーニナのダンスシーン)を見て心を落ち着かせる。

プライドと偏見でエリザベスとダーシーが出会ってしまうヤバすぎるダンスシーン

youtu.be

 

何度見てもヤバい・・・・

ジョー・ライト監督はダリオ・マリアネッリさんとサントラでタッグを組むことが多いけれど、一生組んでてほしい。この後ろに流れる音楽はヘンリー・パーセルが戯曲Abdelazer(アフラ・ベーン作)のために作曲したもので、それをおそらくフィドル用にアレンジしたと思われるけど、一生聞いていたい。わたしが死んだら流してほしい。

 

アンナ・カレーニナとヴォロンスキーが躍るヤバすぎるダンスシーン

 

youtu.be

 

ヤバすぎる

この独特の振り付け+ダリオ・マリアネッリの音楽素晴らしすぎる。両方とも恋に落ちた瞬間、2人だけのダンスルーム★になる演出も本当にずるい…わたしが死んだら流してほしい。

 

気付けば赤い虫のことなんて忘れて部屋で踊っていた。

 

 

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Pride And Prejudice

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Anna Karenina

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  • アーティスト:Various Artists
  • 発売日: 2012/11/13
  • メディア: CD