日記④

出勤。背後に聞こえる課長の叩く電卓の音がいつになくきびしい。タタタタタッ…(うーんとため息)タタッ(なんやこれ)タタタタ タタタタタ…

再開に向けての投資の一環としてサーモグラフィーを扱う会社の営業の方が説明に来る。課長とわたしで話を聞く。6月から事業を再開する事業者の多くが注文に殺到していると言う。空港に置いてあるタイプとよく似ていて、早歩きやマスクをしていてもヒトを認証する性能の高さが売り。実験台としてモニターの前でわたしが客A 客B 客C 関係者a 関係者bなどを演じる。モニターの向こうではわたしが虹色に輝いている。(おでこじゃなくて手が一番明るかったのが意外だった)残り数台です、と言って営業マンは去っていった。

 

ドイツのオーケストラが管楽器で飛沫はどれくらい飛ぶのかとか海外の音楽祭の開催はもうヤバいだとか噂だけどロシアのバレエ団で集団感染があったらしい(?)とか現状の状況や厳しさを来ている人で一通り共有する。個人的にはグローブ座が持ちこたえられないと言っているニュースがショックだった。アーツ・カウンシルの助成の対象外だなんてそんな…

政府のおかしなガイドライン含め色々読んでみたが今まで通りにやるのはもう当面不可能という感想しか浮かばない。どんな産業もそうだろうがコロナと共存してやっていくことにどう落とし前を着けるかだけれどそこが本当に難しい。やるしかないんだけれど。

魑魅魍魎ばかりの職場で唯一のまともキャラの課長がため息と「は~~~~しんど」を繰り返していたので話を聞く。喫煙所に行く頻度が体感3倍にはなっているからお身体には本当に気を付けてほしい…世界恐慌の果てまで行きついたとして自分の仕事がなくなったらこれまでの貯金でアイスランドとかモンゴルとかアイルランドに行って自然の前の己の無力さを感じたいです。今はそれしか考えられない。